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  • 【ONLINE SHOPコラム第1弾】ジャズのレコードレーベル、ブルーノート(Blue Note)とは

    人気盤レコードが多いジャズレーベル、ブルーノート(Blue Note)を知っていますか?オリジナル盤を中心にジャズのレコードを取り揃えるFace Records。当店でも過去たくさんのブルーノートの作品を販売しています。

    世代にもよりますが、「聞いたことがある」という方はやはり多いのではと思います。 同じ名前の有名なジャズクラブがありますが、中古レコードにおいてブルーノートといえば、それは1950年代から70年代を中心にジャズの歴史上 数多くの傑作と呼ばれる作品を残したアメリカのジャズレーベルのことです。 その人気から、ブルーノートのレコードが好きでよく聴いているという方も多いでしょう。 しかし、有名であるからこそ知っているようで知らないことも多いはず。 今回は、中古レコードという観点から、Face Recordsがブルーノートについて解説します。

    文:福田俊一(Face Records)

     

    ブルーノート(Blue Note)ってなに?

    ブルーノートは、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)とフランシス・ウルフ(Francis Wolff)というドイツ人 2人によって米国ニューヨークで1939年に設立されました。今でこそジャズの歴史において輝かしい功績を称えられるブルーノートですが、もちろん当時は小さなレコードレーベルであったため、録音しては発売し、そしてまた録音する繰り返しでぎりぎりの経営状況でした。その不安定な会社の状態は60年代半ばに米大手リバティー社(Liberty)に買収されるまで続きます。その後、70年代初めにはユナイテッド・アーティスツ社(United Artists)の手に移り、80年代半ばにはキャピトル社(Capitol)の傘下に入りました。彼らが名門と呼ばれるまでには長く険しい道がそこにはあったのです。

     

    ブルーノ―トのレコードの魅力3つ
    ブルーノートには長い歴史がありますが、長年にわたって世界中のジャズファンを夢中にするのはなぜでしょう?

    ジャズ界で不変の人気を誇るレコードレーベルであるポイントは3つあります。

    ①ジャケットデザインが抜群!

    Paul Chambers / Bass On Top(BLP 1569)1957年リリース


    Hank Mobley / Dippin’(BLP 4209)1966年リリース


    Lee Morgan / The Rumproller(BST 84199)1965年リリース

    ブルーノートはジャケットデザインも高く評価されています。設立者のひとりでもあるフランシス・ウルフは写真家だったこともあり、録音中のアーティストのふとした人間味溢れる表情を撮るのに長けていました。それがジャケット写真に使われたのです。また、リード・マイルス(Reid Miles)というデザイナーの存在も非常に大きいものでした。
    マイルスは同レーベルのもと、1950年代半ばからレコードのジャケットデザインを400点以上も手掛けました。ウルフの撮影した写真を大胆にもトリミングし、自由自在にフォントを使いこなしたインパクトも強いレタリングを配したことで、当時の型にはまった音楽レコードのデザインの概念を大きく覆しました。ウルフが撮影したアーティストの生き生きとした写真にマイルスが大胆にハサミを入れてデザイン制作してゆくことに、当時 レーベル内でも「何を考えているのだ」と多少なりとも反発もあったそうですが、結果的には他のレーベルがしていないとても斬新なことを実現していたのです。ある意味奇抜ともいえる、その抜群のジャケットデザインのセンスが今も昔も高い人気を集める理由の一つなのです。

    ②音のクオリティに一切妥協しない

    ※盤のデッドワックスに刻まれたヴァン・ゲルダーの名前

    ブルーノートのレコードを話題にするなかで頻繁に出てくる言葉があります。それはRVG(アールブイジー)やVAN GELDER刻印(ヴァンゲルダーこくいん)という言葉です。これは、録音技師ルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)がそのレコード制作に携わったことを意味する、レコード内周部にある刻印の呼び名です。元々 検眼技師だったヴァン・ゲルダーは53年頃からブルーノートの録音に携わりはじめ、長い間 数え切れないほどの名盤の、その革命的な”音”をレコードの盤面に刻んできました。

    彼が録音した音は、まるでスタジオの空気をそのまま切り取ったような臨場感に溢れていてなおかつ音質も良いと非常に高い評価を得ています。現在ではジャズの録音エンジニアとしては伝説的な存在にまでなっています。

    ③スターの原石をたくさん発掘した
    ブルーノートの社長アルフレッド・ライオンは多くの若手にも録音の機会を与えました。
    同レーベルがキャリアの初期を輝かせたアーティストとしてはセロニアス・モンク(Thelonious Monk)、バド・パウエル(Bud Powell)、ジミー・スミス(Jimmy Smith)などがいます。既に名声のあった有名ミュージシャンを録音するより報酬が安価で済むのでレーベルとしてはメリットは大きいのですが、それ以上に当時はまだ無名に近かった腕のある新人をスカウト・発掘して録音させる手腕はピカイチでした。
    現在のブルーノートの評価があるのはジャケットデザインが優れているからだけではありません。

    録音技術が素晴らしいからだけでももちろんなく、若手ミュージシャンがきらりと光る演奏を残してきたことも何よりも大切な要素なのです。

     

    ウン十万円のレコードも。ブルーノートが高いわけ
    ジャズのレコードの中でもブルーノートの作品は特に高額になりやすい傾向にあります。
    日本で出回った主なブルーノートのレコードには、大まかに分けてアメリカからの輸入盤と日本で製造された国内盤の2種類があります。
    ブルーノートはアメリカのレコードレーベルなので初版となるオリジナル盤(最初期の、価値が最も高いもの)はアメリカ盤となりますが、60年代後半・70年代以降に日本で製造されていた国内盤も音質も良く安定して高い人気があります。ブルーノートの作品は変わることがないその高い人気と需要の一方で、半世紀以上も前にプレスされたようなレコードは現存する数も少なくなっており稀少なうえ、長い年月を経てキズが付いたり聴けなくなって捨てられてしまったものもあるでしょう。
    つまり、その希少性(珍しさ)こそが現在 買取額でも販売額でもブルーノートが非常に高額になる理由のひとつでもあります。

     

    ブルーノートのレコードって、何がある?
    ブルーノートのレコードと一言でいっても、以下のようにおおまかに分類できます。

    1.2つの10インチレコードシリーズ
    ・7000番台=ディキシーランドジャズやブギウギ。クラリネットおよびソプラノサックス奏者、シドニー・ベシェらの吹き込みなどがある

    Sidney Bechet / Port Of Harlem Six(BLP 7022)1952年リリース

    ・5000番台=ビバップ・モダンジャズ黎明期の作品シリーズ。若き日のマイルス・デイビスやセロニアス・モンクの作品がある

    Kenny Dorham / Afro-Cuban(BLP 5065)1955年リリース

    2.1500番台シリーズ
    1950年代半ば~終わりに発売されたLPレコードのシリーズ。約100タイトルがリリースされた。1950年代SP盤時代の音源、10インチ時代の音源をLP化したもののほか、50年代半ばになると オルガン奏者 ジミー・スミスの録音など、当シリーズが初出となる音源が登場。年代ものであるためオリジナルのレコードはとても貴重


    Sonny Clark / Cool Struttin’(BLP 1588)1958年リリース

    3.4000番台シリーズ
    1950年代終わり~70年ごろまでに発売されたLPレコードのシリーズ。約300タイトルがリリースされた。この時代からはハービー・ハンコックやグラント・グリーンといったスターが生まれた。4000番台初期のレコード作品は1500番台に負けず劣らず価値が高い


    Hank Mobley / Soul Station(BLP 4031)1960年リリース

    4.BNLA, LTシリーズ
    1970年代、当時 米国大手レコード会社 ユナイテッド・アーティスツ傘下にあったブルーノートは4000番台に取って代わる新しいシリーズをスタート。型番の頭文字に「BN-LA」「LT-」が付くため、今ではBNLAシリーズ、LTシリーズと呼ばれることも。モダンジャズ最盛期は終わり、この頃 ジャズは他の音楽の要素を取り入れて進化していたため、ブルーノートの作品にもフュージョンやソウルファンクの色が濃い音楽が多くなりました。

    Marlena Shaw / Live At Montreux(Blue Note, BN-LA 251-G)1974年リリース

     

    ブルーノートのレコードでジャズへの興味広がる
    レコードを集め出した方にとっては1枚数万円、数十万円ととても高価なオリジナルを手に入れて聴くのは敷居が高いはず。しかし、昔から人気が高いブルーノートには当時でも最近でも再発盤(リイシュー)が比較的手に入れやすく、充実しているのが特徴です。例えば、黒音符ラベルや白音符ラベルというユナイテッド・アーティスツ社から70年代に発売された再発盤であればそこまで高額ではないため気軽に聴くことができます。また、日本のキングから発売された国内盤は以前から音質が世界的に高い評価を受けており、優れたサウンドを楽しめるので需要が高いです。

    でも、ブルーノートを迫力ある音質で楽しむならやっぱりオリジナルが一番。特に耳マークと呼ばれるPlastylite社のプレスは音圧が凄まじく、ルディ・ヴァン・ゲルダーのカッティングもあいまって演奏者がスピーカーの目の前にいるかのような錯覚を覚えるほど。これは再発盤では味わえない、何にも代えがたい特別な体験だといえます。

    ブルーノートのレコードを聴いてみたくて再発盤が欲しい方、すでにオリジナルを収集している方もぜひともFace Records ONLINESHOPで商品をお探しください。手頃なミドルクラスから歴史的名盤まで豊富に取り揃えてお待ちしております。

    ↓↓↓ONLINE SHOPスタッフイチオシのBLUE NOTE関連作はこちら↓↓↓



    ERIC DOLPHY
    「OUT TO LUNCH」


    PAUL CHAMBERS QUARTET
    「BASS ON TOP」


    KENNY DORHAM
    「AFRO CUBAN」


    IKE QUEBEC
    「BOSSA NOVA SOUL SAMBA」


    RONNIE FOSTER
    「TWO HEADED FREAP」


    LEE MORGAN
    「VOL 3」


    JOE HENDERSON
    「PAGE ONE」


    JOHN COLTRANE
    「BLUE TRAIN」


    J.R.MONTEROSE
    「J.R. MONTEROSE」

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    福田俊一

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